
生理痛がひどかった筆者が、ミレーナやピルを使った経験を報告します。女性は生理で悩む人が多いので、人生の早期の段階で、生理との付き合い方を検討していけるといいですね。そのために筆者の経験を参考にして下されば幸いです。
生理やPMSはストレス
生理があまり気にならない、という人は少数派ではないでしょうか。
筆者の周りでは、生理やPMSで辛い思いをしている人がかなり多いです。
PMSとは
・PMS(Premenstual Syndrome )は日本語で「月経前症候群」のこと
・生理3~10日位前に始まる、さまざまな精神的・身体的な不調を指します
・イライラ、気分の落ちこみ、集中力低下、無気力感などの精神症状が出ることもあります
・身体的症状としては、食欲が増したり、便秘になったり、ニキビが出たりすることも・・・
筆者は、PMSの定義とは異なりますが、生理の一日目が最もつらく、こう思うことがよくありました。

こんなに痛くて苦しいことを人生の大部分の時期に経験しなくてならないなら、人生は絶望的・・・。生きていたくない・・・。
実際、生理になると、救急車を呼ぶべきか真剣に悩むほど身体の痛みを感じていました。しかし、私の場合は身体の痛みだけでは説明できない、精神的な不調も生じてしまい、特に「絶望感」でいっぱいになってしまうのでした。
その心身の不調が苦しくて、婦人科にはかなりの回数行きました。その結果、①鎮痛剤(イブなど生理痛を和らげる薬) → ②低用量ピル(生理を軽くする) → ③ミレーナ(生理がほとんどなくなる) とだんだん、生理の負担を減らす道を歩むことになりました。
③の「ミレーナ」は、若益つばささんや上原さくらさんなどの芸能人も子宮への装着を報告しています。しかしながら、ほとんどの人は、よく知らないというのが現状ではないでしょうか。
そこで、まずはミレーナについて自分の経験を踏まえながら紹介したいと思います。
ミレーナとは?痛みはどれくらい?
ミレーナの概要
・ミレーナはIUD(intrauterine device/子宮内装置の意)で、避妊具の一つです。
・重い生理の治療として、FDAに唯一認められているホルモン放出型のIUDです。
・重い生理の緩和に5年間、アメリカでは避妊に6年間、99%以上の効果があるとされています。(※日本では5年以内に取り出します)
・人口の黄体ホルモンを放出して、妊娠を防ぐ仕組みになっています。
・やわらかいプラスチックでできており、T字型をしています。
・婦人科の医師の手で子宮に装着・脱着してもらいます(脱着すると妊娠できる状態になります)。
・出産を経験している人も、していない人でも装着できます。
参考資料:https://www.mirena-us.com/
https://www.medicalnewstoday.com/articles/birth-control-mirena-side-effects
費用
私は日本の産婦人科でミレーナを装着しましたが、保険診療で合計13490円の費用がかかりました(当日の費用です。定期チェック等の費用は入れていません)。5年間装着することを考えると、ピルと比較して費用は安く抑えられます。ちなみに私はピルだと保険診療で月々1000円弱のコストを払っていることもありましたし、自由診療で月々3000円くらいのを使っていた時期もあります。
アメリカでは保険でカバーされない場合、ミレーナに $999.28.かかるということです。日本円にすると10万円を超えるコストとは、かなり高いですね。

リスク
・避妊目的でミレーナを使っている方は、1%以下ではあるものの妊娠の危険があることを知っておきましょう。
・装着して数日は、重篤な感染症を引き起こすリスクがあります。
・性交渉などにより骨盤内炎症性疾患(PID)に感染する可能性があります。
・装着したミレーナがとれてしまう可能性があります。
出典:https://www.mirena-us.com/mirena-side-effects-and-safety#sideeffects
メリットとデメリット
非常に大きなメリットとしては生理が減ることです。ピルみたいに毎日飲まなくてもいいし、飲み忘れも生じず楽ちんです。もちろん避妊具なので、避妊もできます。
デメリットとしては、副作用、リスク、そして痛みがあることなどが挙げられます。副作用には卵巣嚢胞(だいたい数か月で自然に治まることが多い)、不正出血、頭痛、吐き気などがあります。それから5年以内に取り外す必要があることに注意しましょう。
参考資料:https://www.mirena-us.com/mirena-side-effects-and-safety#sideeffects
https://www.healthline.com/health/womens-health/mirena-endometriosis#side-effects-risks
実体験報告:ミレーナの痛み
私が経験したミレーナの痛みには、①装着時の痛み、②装着後の痛み、があります。外したことがないので、外した時の痛みはわかりません。
①装着時の痛みは個人差があるようですが(一般的に経産婦は軽い)、私の場合は超~~~~痛かったです Σ(ಠิωಠิ|||)
この痛みを例えるならば、おなかの真ん中にキリで、キコキコキコキコと穴をあけていくような拷問の感覚でしょうか。今までに経験したことのない初めての痛みで、装着するためにかかった時間は10分程度でしたが、“生理一回分(ピルを使わず、フルで7日間生理があったとしての一回分)の生理痛をこの10分間に凝縮したら、ちょうど同じくらいの痛みの程度”かもと思いました。
装着時はあまりの痛みに、身体がびっくりして、医師・看護師の前で嗚咽が止まらなくなってしまいました。恥ずかしいし止めたいと思っているにも関わらず、涙がボロボロ出てきて、声をあげてヒックヒックと泣きじゃくってしまったのです。身体がショック状態だとこうなってしまうのかと自分でもびっくりしました。
それくらいミレーナの装着は大変だったのですが、装着して時間がたった現在は、あの無慈悲な痛みに耐えてもミレーナを装着してよかったと心から思っています。
ちなみに私はミレーナ装着にあたって、痛みについては覚悟していました。ネットで情報を拾うと、中には人生で一番痛いと書いている人もいて、鎮痛剤を一時間くらい前に服用するといいかもという海外のサイトも見つけました。そんなわけで私も実は鎮痛剤を服用して装着に臨んだのですが、今思うと、鎮痛剤なんかでは痛みはあまり緩和できなかったのではないかと思っています。
それでは次に、②装着後の痛みですが、装着時の痛みと比べれば、私の場合は、ほとんどどうでもいい程度の痛みしか感じませんでした。ただ、やはり体の真ん中にくる独特な痛みで、生理痛ともまた違う、なんだかいてもたってもいられない変な痛みを感じることがありました。
なお定期検診を受けましたが、きちんと装着できており、すぐにそういった痛みも治まりました。
実体験報告:ミレーナ装着後の生理/不正出血
ミレーナを装着後、出血することがありますが、生理なのか不正出血なのかわからないくらい量はわずかです。おりものシートや最も軽い日の小さなナプキンでいつも大丈夫でした。いちおう最初は記録をつけていたのですが、装着してからちょうど10日後に3週間のだらだらとした出血が続きました。
その後、2週たってから2週間くらいの出血、そのあと11日後からしばらく出血、また数週間後に10日間ほど出血・・・というふうに、最初の半年くらいは少量だけれど、やや長期間の出血を散発的に経験しました。そして一年くらいたつと、出血の回数がさらに減り、たまに数日~1週間程度、おりものシートだけで対応可能な量の状態となり、すごく楽になりました。
個人的なおすすめ度
前述しましたが、痛みとリスクを差し引いても、私の場合は本当にミレーナを使ってよかったです。ただネットを見ると、ミレーナを装着した後、精神的に不安定になるなどの理由で、あわずに取り出してしまう人も少なくないようです(精神面に影響は出ないとする専門家もおり、意見が分かれているようです)。それから、私はミレーナのせいと思っていますが、乳首がかゆくなる現象が半年くらい続いて不快でした。しかし2年以上たった今、そういった副作用もなく、かなり快適です。毎日ピルを飲まなくてはいけない煩わしさを考えると、もっと早くからミレーナにしておけばよかったと思っています。

ピル
では、ミレーナとの比較もしていただきたいので、ピルの話もしたいと思います。私の周りの女性は、生理やPMSが苦しいと、まず低用量ピルを選択する人が多いです。
ピルの概要
ピル(低用量ピル・超低用量ピル)
・1日1錠決まった時間に内服します
・ほぼ100%の避妊効果があるとされます
・多くの人でPMSが改善します
・生理痛の改善に効果があります
ちなみにミレーナを装着することで精神面に影響が出るという報告をする人もいるのですが、低用量ピルも精神面への影響が出ることがあります。
とはいえ、私の周りでは、ピルを飲んで精神面に顕著な悪影響が出た、という話はまだ聞いたことがありません。ただ、性欲がなくなるので、恋人ができなくなると言っていた人がいます(きちんとしたデータをもっているわけではないので、真偽は不明ですが・・・)。

ピルのいいところは、あわないと思えば、すぐにやめられるということです。ただし、だからといってピルを気軽に使ってもいいかというと、ピルには血栓ができやすい、吐き気、頭痛、体重増加といったそれなりの副作用やリスクがありますので注意してください。
ピルを使った感想(ミレーナと比較して)
ミレーナと比べると、毎日決まった時間に飲まなくてはいけないので、面倒くさいです。またピルを飲んでも、生理痛はある程度ありますし、出血量もそれなりにあります。
私の場合、ミレーナを使うと、ほぼ生理のストレスから解放されるので、ピルだとまだ物足りないです。しかしミレーナは簡単に装着・脱着ができませんし、妊娠を考えているなら、まずピルで様子をみるのがいいと思います。
飲み忘れは避妊効果がなくなりますので、スマホのアプリを使って毎日同じ時間にリマインドすることをおすすめします。私はそうしていましたし、転職などで大きく生活習慣が変わったとき、服用時間をその生活習慣にあわせて変えて、飲み忘れが起きないよう工夫していました。
なお、ピルには様々な種類がありますので、どれがあっているのか婦人科の先生とよく相談してみて下さいね!

※本ブログではミレーナやピルについての記述を行っています。できるだけ正確な記述をするようにしていますが、著者は心理学を専門とする臨床心理士であり、医師ではありません。正確な情報は婦人科の専門医にご確認をお願いいたします。
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