ADHDって何?その特性や症状は?子どもの5%、大人の2.5%にみられる発達障害の基礎知識。

心のケア

ADHDの基礎知識

まずは必ずおさえておきたいADHDの基礎知識はこちらです。

・ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder )は日本語で「注意欠如・多動症」あるいは「注意欠如・多動性障害」と呼ばれる。

生まれ持って脳の機能に何らかの障害があるとされる「発達障害(神経発達症)」の一つ。  

・ほとんどの国で、子どもの約5%、成人の約2.5%に生じる。

・ADHDは男女比=3~4:1くらいで、男児に多い

・ADHDは(多くの遺伝子が関わる)遺伝要因胎児期の環境要因により生じると考えられている。

ADHDの主症状

ADHDの主症状は以下の3つです。

1.不注意:一つのことに注意をずっと向けるのが難しい。
例:気が散りやすい。片付けが苦手。優先順位をつけるの苦手。ぼーっとしてしまう。

2.多動性:じっとしているのが難しい。
例:手足をもじもじさせたり、手遊びをしてしまう。しゃべりすぎてしまう。席にじっと座っているのが難しい。

3.衝動性:考えずにぱっと行動してしまう。

例:順番を待つのが苦手。話や質問が終わる前に答える。カッとなりやすい。

これら3つの主症状全てが揃っていると周囲もADHDだとわかりやすいですが、揃っていなくてもADHDと診断できます。ADHDは以下の3つのタイプがあり、不注意だけが目立っていたり、多動-衝動性だけが目立つ人もいます。

ADHDの3つのタイプ


1.混合型
2.不注意優勢型
(ドラえもんの「のび太君タイプ」といわれることもある)
3.多動・衝動性優勢型
 (ドラえもんの「ジャイアンタイプ」といわれることもある)       

それでは次に発達段階にそって、観察されやすいADHDの症状や特性をみていきましょう。

胎児期・・・おなかの中でよく動く子と母親が思っていることがあります。

乳幼児期の検診・・・ことばの問題や他の発達障害の特性・問題がないと、検診で発達の問題を指摘するのは難しいです。

幼児期・・・幼稚園や保育園では、他の子よりも活発で、ケガをしたり、させてしまったりすることがあるかもしれません(多動性・衝動性)。

小学生・・・幼稚園などではうまくやれた子も、小学校では心配なところが出てくるでしょう。忘れ物が多かったり、傘や文房具などは失くしてしまうかもしれません。授業中はぼーっとしていて、連絡帳なども書かなかったりします。机はぐちゃぐちゃで物が沢山あって目立ちやすいです(不注意)。

また授業中、席を立って自由に歩いたり、授業中に自分勝手にしゃべったりして、先生からすると授業の進行をさまたげている感じがします。急に道路に飛び出したり、高いところに登ったり、危険を考えない行動に注意が必要です(多動性・衝動性)。ただし、ここまで多動が目立たず、授業先には座っていられるけれども、実は鉛筆や消しゴムをいじって遊んでるだけ、落書きしてるだけ、寝ているだけのこともあります

ADHDの特性がはっきり出ている場合は、幼稚園の先生や小学校の教員から、発達的な懸念を指摘されるかと思います(ただし多動性や衝動性が目立たない子は、問題に気づかれにくいです。またしっかりしていない先生だと言ってくれないかもしれません)。指摘があれば、将来のトラブルを予防できるチャンスです。まずは専門家・相談機関に相談してみましょう。幼児期や小学生の時期はADHDの早期発見と二次障害の予防のために大事な時期と言えるでしょう。

中学生/高校生・・・お子さんに多動性・衝動性があまりなかったり、知能が高いなど他の能力が優れている場合、発達の問題が目立たないかもしれません。その場合、誰にも指摘を受けずに中・高生になることも少なくありません。

ただ、以下のような問題が見られていないか注意してください。
ADHDのお子さんは生活の管理が苦手で、遅刻しがちです。授業に集中しにくく、試験ではケアレスミスが多いため、知能から期待されるほどの成績が取れない可能性があります。また宿題や教科書等を忘れるだけでなく、鍵や財布などの大事なものも無くしてしまうかもしれません。家でも学校でも片付けが苦手で、物事の優先順位をつけるのも苦手です(不注意)。

またカッとしやすかったり、ルールを守るのが苦手かもしれません。中学では不登校、高校はドロップアウトすることもあります。いわゆる非行少年の中にはADHDのお子さんも少なくありません。中・高の1〜2年生では周りに大目にみられていても、受験の時期には、周りの生徒は構ってくれなくなるため、取り残されがちです(多動・衝動性)。

大学生・・・大学生まで、誰にも発達的な問題を指摘されずにきたのであれば、発達障害の症状はあまり大きくないものと考えられます。その一方で、大学生の時にADHDの診断を受ける人もいます。これまで親御さんのサポートで問題を乗り切っていた人も、大学では目が行き届かなくなることも影響します。

ADHDの学生は、大学でいろいろな課題を先延ばしし、レポートや卒論の締め切りに提出が間に合わず、単位を落としてしまうことがあります。計画をたて実行するのが苦手なので、時間をかけて取り組むことが必要な卒論執筆は特に苦労するようです。こういった学業上の問題のため、留年を繰り返すことがありますが、ここでも先延ばしをし、親に留年を伝えないままに時間だけが過ぎてしまっていることがあります。

ADHDのある大学生はやりたくないことの先延ばしをしている間、過度にスマホやゲーム、ギャンブルなどに時間を費やしてしまうことがあります。そのために後でトラブルに発展し、精神的に追い詰められることもあります。こういった場合、二次障害(うつ病、不安障害、ゲーム障害など)が最初に診断され、その後に発達障害が診断されることもあります

一方、知能や他の能力に恵まれてる学生は、多少の問題があっても、大学でうまく過ごしていることがあります。ADHDの人は楽しく、刺激的で枠にとらわれない魅力があることが多いため、友達や恋人に恵まれることも少なくなく、周りの恋人や友達がサポートで問題を切り抜けられることがあります。それどころか、むしろエネルギッシュで、クリエイティブな力を活かし、アーティスト、旅人、アスリート、YouTuberなどで、目立って活躍していることもあるかもしれません。

かつてADHDの診断を満たしていた人も、成長に伴って症状が寛解し、大学生のときには目立たなくなっていることもあります。

これらが症状の概要です。ADHDの「傾向」を持っている人は普通に沢山いますので、少し当てはまっていても心配しすぎないようにしてください。ただし、ADHDに限らず、発達障害は早期発見・早期介入が重要です。日常生活、社会生活に支障が出ているレベルで特性があると思われるようでしたら、発達障害の専門家に相談することをおすすめします。

ADHDの原因

ADHDは(多くの遺伝子が関わる)遺伝要因胎児期の環境要因が相互に影響しあって生じると考えられています。

①遺伝要因
ADHDには高い遺伝性があるとされています。しかし特定の遺伝子だけで説明はつかず、多くの遺伝子が相互に作用して、ADHDの発症リスクを高めていると考えられます。

臨床心理士
臨床心理士

ただし、一卵性双生児(遺伝子が同じ)の片方がADHDでも、もう片方がADHDである確率は50~80%です。つまり、遺伝だけでは、ADHDの発症を説明することができません。


②環境要因
子どもが低体重で生まれること、母親の妊娠時の喫煙やストレス、環境汚染物質の影響などが考えられています。

ADHDの診断

診断は医師のみが可能です。ただし、ADHDは過剰診断が多いことが問題となっており、発達障害を専門としている児童精神科や精神科医が診断を行うことが望ましいです。専門の医師は生活歴の確認、問診、発達検査・知能検査等、一連の手続きを経た後に診断を行います。

医師が基準として用いるものにICDやDSMがあります。以下はDSMー5のADHDの診断基準となります。

ADHDの診断基準

A. (1)および/または(2)によって特徴づけられる、不注意および/または多動性-衝動性の持続的な様式で、機能または発達の妨げとなっているもの
(1)不注意:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6カ月持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的および学業的/職業的活動に直接、悪影響を及ぼすほどである:

注:それらの症状は、単なる反抗的行動、挑戦、敵意の表れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。青年期後期および成人(17歳以上)では、少なくとも5つ以上の症状が必要である。
(a)学業、仕事、または他の活動中に、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な間違いをする(例:細部を見過ごしたり、見逃してしまう、作業が不正確である)。
(b)課題または遊びの活動中に、しばしば注意を持続することが困難である(例:講義、会話、または長時間の読書に集中し続けることが難しい)。
(c)直接話しかけられたときに、しばしば聞いていないように見える(例:明らかな注意を逸らすものがない状況でさえ、心がどこか他所にあるように見える)。
(d)しばしば指示に従えず、学業、用事、職場での義務をやり遂げることができない(例:課題を始めるがすぐに集中できなくなる、また容易に脱線する)。

(e)課題や活動を順序立てることがしばしば困難である(例:一連の課題を遂行することが難しい、資料や持ち物を整理しておくことが難しい、作業が乱雑でまとまりがない、時間の管理が苦手、締め切りを守れない)。
(f)精神的努力の持続を要する課題(例:学業や宿題、青年期後期および成人では報告書の作成、書類に漏れなく記入すること、長い文書を見直すこと)に従事することをしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う。
(g)課題や活動に必要なもの(例:学校教材、鉛筆、本、道具、財布、鍵、書類、眼鏡、携帯電話)をしばしばなくしてしまう。
(h)しばしば外的な刺激(青年期後期および成人では無関係な考えも含まれる)によってすぐ気が散ってしまう。
(i)しばしば日々の活動(例:用事を足すこと、お使いをすること、青年期後期および成人では、電話を折り返しかけること、お金の支払い、会合の約束を守ること)で忘れっぽい。

(2)多動性および衝動性:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6カ月持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的および学業的/職業的活動に直接、悪影響を及ぼすほどである:
:それらの症状は、単なる反抗的行動、挑戦、敵意などの表れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。青年期後期および成人(17歳以上)では、少なくとも5つ以上の症状が必要である。

(a)しばしば手足をそわそわと動かしたりトントン叩いたりする。またはいすの上でもじもじする。
(b)席についていることが求められる場面でしばしば席を離れる(例:教室、職場、その他の作業場所で、またはそこにとどまることを要求される他の場面で、自分の場所を離れる)。
(c)不適切な状況でしばしば走り回ったり高い所へ登ったりする(注:青年または成人では、落ち着かない感じのみに限られるかもしれない)。
(d)静かに遊んだり余暇活動につくことがしばしばできない。
(e)しばしば“じっとしていない”、またはまるで“エンジンで動かされるように”行動する(例:レストランや会議に長時間とどまることができないかまたは不快に感じる;他の人達には、落ち着かないとか、一緒にいることが困難と感じられるかもしれない)。
(f)しばしばしゃべりすぎる。
(g)しばしば質問が終わる前にだし抜いて答え始めてしまう(例:他の人達の言葉の続きを言ってしまう;会話で自分の番を待つことができない)。
(h)しばしば自分の順番を待つことが困難である(例:列に並んでいるとき)。

(i)しばしば他人を妨害し、邪魔する(例:会話、ゲーム、または活動に干渉する;相手に聞かずにまたは許可を得ずに他人の物を使い始めるかもしれない;青年または成人では、他人のしていることに口出ししたり、横取りすることがあるかもしれない)。

B.不注意または多動性―衝動性の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在していた。
C.不注意または多動性―衝動性の症状のうちいくつかが2つ以上の状況(例:家庭、学校、職場;友人や親戚といるとき;その他の活動中)において存在する。
D.これらの症状が、社会的、学業的または職業的機能を損なわせているまたはその質を低下させているという明確な証拠がある。
E.その症状は、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患(例:気分障害、不安症、解離症、パーソナリティ障害、物質中毒または離脱)ではうまく説明されない。

いずれかを特定せよ
314.01(F90.2)混合して存在:過去6カ月間、基準A1(不注意)と基準A2(多動性-衝動性)をともに満たしている場合
314.00(F90.0)不注意優勢に存在:過去6カ月間、基準A1(不注意)を満たすが基準A2(多動性-衝動性)を満たさない場合
314.01(F90.1)多動・衝動優勢に存在:過去6カ月間、基準A2(多動性-衝動性)を満たすが基準A1(不注意)を満たさない場合
該当すれば特定せよ
部分寛解:以前はすべての基準を満たしていたが、過去6カ月間はより少ない基準数を満たしており、かつその症状が、社会的、学業的、または職業的機能に現在も障害を及ぼしている場合
現在の重症度を特定せよ
軽度:診断を下すのに必要な項目数以上の症状はあったとしても少なく、症状がもたらす社会的または職業的機能への障害はわずかでしかない。
中等度:症状または機能障害は、「軽度」と「重度」の間にある。
重度:診断を下すのに必要な項目数に多くの症状がある。またはいくつかの症状が特に重度である、または症状が社会的または職業的機能に著しい障害をもたらしている。

繰り返すようですが、ADHDの診断は難しく、過剰診断や誤診が生じることもあります。

特に子どもが虐待されていたり、他の障害があったりすると、衝動的で、落ち着きがなかったりして、ADHDと混同されてしまうことがあります。そのため評価尺度を使うなどして診断は慎重に行われます。ADHDである本人がまだ幼ければ、親や教師に子どもの行動などを評価してもらうための用紙を記入してもらうことが多いです。

また多くの医療機関ではADHDである本人(幼い子〜成人)に知能検査を行っています。脳波検査や血液検査等もあるかもしれません。また追加で発達検査も行われることがあります。

こういった検査の結果も踏まえながら、医師がこれまでの生活の様子や行動、問題などを聞いたり、実際に言動を観察したりして、総合的に情報収集をした上で診断をおこないます。

ADHDの歴史

昔から発達障害の子はいたと考えられますが、医学的には1900年に入ってから徐々にその状態像が取り上げられ、研究が進められるようになりました。そして1980年にアメリカの精神医学会が「注意欠如障害」という名称で診断基準を発表しました。

近年では、トーマス・エジソン(1847年2月11日 – 1931年10月18日)はADHDだったのではないかと取り上げられることも多いですが、当時はまだ診断基準もなかったのですね。このように、現代から振り返ると〇〇さんも、△△さんもはADHDだったのではないかと身近なところで発見があるかもしれません。

ADHDのお子さんはエジソンのように、自由な発想をもち、好奇心にあふれて、活動的であることが多いです。そういったお子さんの才能を伸ばすには、発達障害のお子さんの参加を歓迎しているLITALICOワンダー(りたりこワンダー)の体験授業がおすすめです。

LITALICOワンダーは、年長・小学生〜高校生が通えるプログラミング・ロボット教室で、オンラインでも受けることができます。
子どもの興味や得意、ペースに合わせたプログラムを提供しているので、はじめての参加でも楽しめると思います。年長さん〜高校生が対象です。

お子さんの習熟度や興味関心に合わせて、300以上の独自コンテンツからその子にぴったりな学びをご提供しています。LITALICOは障がい者の就労にも関わっている企業なので、大人になってもいろいろと活用できる情報が入手しやすいと思います。

ADHDの併存症

ADHDの併存症は非常に重要な問題です。併存症は生まれつきのものもありますが(たとえば他の発達障害)、ADHDがあるために社会になじめず、うつ病や不安障害を発症するといった、二次障害としての併存症もあります。

当然ながら併存症があると、その問題に対応するために、ますます時間的・精神的・経済的コストがかかってきます。ADHDを早期発見、早期介入することにより二次障害を予防できる可能性が高まります。ですので、ADHDをこじらせないように、できるだけ早く治療やサポートを開始しましょう。 

ADHDの8割に併存症あり

日本でのADHDの併存症 /二次障害の内訳にはこのような報告があります。
(出典:「注意欠如・多動症ーADHDーの診断・治療ガイドライン」 じほう) 

ADHDにみられやすい併存症

反抗挑発症(反抗抗挑戦性障害)・・・30〜45% 
素行症・・・18〜23%           
学習障害/限局性学習症・・・25〜40%
排泄症・・・20%
チック・・・9%
強迫症・・・8% 

ここにはありませんが、ADHDの人は依存症(物質関連障害、嗜癖性障害)にもなりやすいです。特に子どもはネット依存やゲーム障害になりやすいため、インターネット(スマホ・タブレットなど)、ゲームの使用開始を遅らせるなど、保護者の方が注意をしてあげて下さい。

それから「反抗挑発症(反抗挑戦性障害)」「素行症」という用語を聞きなれていない方もいらっしゃると思いますが、簡単に言うと、反抗、非行、犯罪などの行動化がみられる障害です。ADHDのお子さんをお持ちの方は是非おさえておきたい併存症なので、下の「DBDマーチを知ろう」をお読みください。

反抗挑発症は、多動性―衝動性が混在して存在するADHDの約半数、不注意が油性に存在するADHDの約4分の1に見られます。
(出典:DSM-5)

つまりADHDは高い確率で反抗挑発症という二次障害になりやすく、特に多動性―衝動性がみられる場合には注意が必要ということです。

ADHDの8割に併存症があるというデータもありますので、併存症の問題は常に気にかけておくことが重要です。

DBDマーチを知ろう

ADHDをこじらせる場合、以下の2パターンが考えられます。両方のパターンが見られるADHDの人もいます。

 ADHDのこじらせ方の2パターン

パターン1・・・自分の葛藤や感情を自己の外の対象に向けて表現する=外在化障害。

自分の起こした問題でも、「あいつのせいでこうなった」と怒りを他者に向け、仕返しするような態度がみられやすいです。外在化障害例:反抗挑発症、素行症


パターン2
・・・葛藤や感情を自己の内的体験として表現する=内在化障害

外在化障害と反対で、たとえば「私のせいでこうなった」と怒りが自分に向かい、抑うつ状態や不安状態になりやすいです。内在化障害例:不安障害、気分障害、強迫症

パターン1、つまりADHDに外在化障害が重なっていく流れをDBDマーチとよびます。DBDマーチは「破壊的行動障害」マーチともよばれ、子どもが非行化や犯罪者になっていく流れでもあります。

ADHD → 反抗挑発症 → 素行症 → 反社会性パーソナリティ障害・・・・と障害がどんどん反社会的な方向に進行していくため、できるだけ早くその流れを止めることが重要です。

お子さんが素行症や反社会性パーソナリティになると、治療は難しくなりますし、保護者の方は途方に暮れることになるでしょう。そうなってから後悔しないよう、2次障害が生じていないADHDの段階で、(遅くとも反抗挑発症の段階で)しっかりケアや予防をしていきましょう。  

早期介入のメリット

お子さんが発達障害かも・・・と思ったとき、中には「学校の先生や医師は誤解している」、「うちの子がそんなわけない」、「発達障害なんて甘えだ」などと否定したくなることがあるかもしれません。

障害を受容することに時間がかかるのは当然のことです。しかし、一方で、障害を受け入れるのに時間をかけすぎるのはもったいないです。発達障害はADHD以外の障害もあわせると子どもの10%と広く見られ、けっして珍しくはないですし、恥ずかしいことでもありません。早期治療、早期介入をした方が望ましい理由をまとめてみましたので、お子さんのためにも、前に踏み出していきましょう。

早期治療・早期介入が望ましい理由

①治療・介入を受ける →  不適切な行動が減る →  先生や同級生などから怒られにくくなる → 自尊心が低下しにくくなる(二次障害の予防になる)

②治療を受ける → 集中力がUPする → 授業を聞けるようになり、もともと持っている能力を伸ばしやすくなる(治療により、提出物を出せるようになったり、教科書を忘れにくくなる、ノートがとれる、宿題がしやすくなるなど、様々な理由で成績が上がる可能性があります)

③診断を受けることで、学校や関係機関が、発達障害に応じた対応方法やサポートを提供しやすくなる

④親も子も、問題の原因は本人でなく発達障害であると発想を転換でき、心に余裕が生まれる

⑤本人や同級生が障害に偏見を持つようになる前に、療育を受けることができる(早期介入しない場合、成長するにつれ、特別支援に偏見が出て、療育・教育の機会を逃しがち)

残念なのは保護者が障害受容をしていないと、お子さんは発達障害の症状が出ている自分は恥ずかしいと自己否定する気持ちが育ってしまうことです。

問題に直面し対応するには勇気もエネルギーも入りますが、まずは保護者の方がお子さんの見本になって、障害を受け入れ、問題を解決していく姿を見せてあげていただければと思います。

ADHDの治療とケア

ADHDに関しては、薬物療法が効果的です。現在、日本ではコンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセが使えるようになっています。なお、厳しい管理が求められるコンサータやビバンセは、処方できる医師が限られています。

また、たとえばコンサータなどはとても有効な薬ですが、7割の子どもにしか効果が期待できないとされています。副作用もありますし、たとえうまく効果が出ても100%、症状がなくなるというものではなく、症状を緩和するために用いられます。したがって薬物療法以外の治療やサポートが重要です。

ADHDの治療

・薬物療法
・親の心理教育(パレンタル・トレーニング
・学校等のサポートや環境調整/関係機関との連携
・ADHD本人への心理教育、サポート(カウンセリング、SST、認知行動療法、プレイセラピーなど)

実際のところ、親が積極的に動いていかないと、こういったサポートが十分受けられない場合もあります。病院や相談機関に行っていたからといって、場所によっては提供できるサポートに限りがあることもあります。

発達障害のお子さんがいらっしゃる親御さんはすでに疲れていらっしゃることも多いのですが、もしあまりサポートを受けられていないと思われたら、サポート機関のうち、一番信用できそうなところを選んで、治療の在り方について相談してみましょう。

ADHDのサポートを求める場所

サポートを得られる場所には次のようなところがあります。

<基本的に無料>
・(小〜高校)スクールカウンセラー(いない学校もあります)
・都道府県や区市町村の教育相談(室)など
・発達障害者支援センター
・児童相談所
・子ども家庭センター
など

<有料>
・発達障害を診断できる医療機関

うちはそんなに大したことないから・・・と遠慮せず、どんどん使っていくのがオススメです。

文献

参考にした文献の一部をご紹介いたします。さらに学びたいはお読みください。

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