発達障害かもと思ったら、読んでおきたいおススメの本は?

心のケア

自分や家族が発達障害かなと思ったら、まず情報を収集して、状態の理解や対策に役立てたいですよね。発達障害の本はたくさん売っていますが、今回は、臨床心理士・公認心理師である私のおススメ本を紹介させていただきます。

発達障害とは何なのか?医学的に理解したい方に

最初に滝川一廣先生の「子どものための精神医学」をご紹介いたします。発達障害をどう理解したらいいのか、精神医学の観点からポイントをわかりやすく説明しています。特にASD/自閉症を理解するというところで、興味深く読めるのではないでしょうか。

①「子どものための精神医学」 著者:滝川一廣  出版社:医学書院   発売日 ‏ : ‎ 2017年3月27日

しかし、この本は発達障害以外についての記述も多く、本自体も分厚いです。内容もやや学術的なので、気軽にパラパラ読む本というより、腰をすえて読みたい人におすすめです。

それよりももう少し気軽に読めて、日常生活に役立つ情報を得たい場合は、これから紹介する本の方を読んでみてくださいね。

まずはお子さんがADHDかもと思ったり、診断がついたときに保護者の方に読んでいただきたい本です。

保護者のための最初の一冊(ADHD)

「ADHD 注意欠如・多動症の本 (育ちあう子育ての本)」 著 者:司馬理英子  出版社:主婦の友社 発行日:2020年9月2日 (新版の方です)

薄く、持ち運びしやすいサイズで気軽に読めますが、日常生活に役立つ大事なポイントがぎゅっと詰まっている本です。イラストやマンガが散りばめられていて,大変わかりやすくまとめられていますよ。

著書の司馬理恵子先生は,お子様がADHDであることから発達障害専門のクリニックを立ち上げられました。この本も、専門家の視点でありながらも、ADHDのお子さんをもつ保護者にとって大事なポイントをまとめていらっしゃると思います。

そして同じく司馬先生の本ですが,こちらの本もわかりやすくてオススメです。この本はAmazonの Kindle unlimitedを使えば,無料で読むことができます(kindle unlimitedを初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能です)。できるだけ出費を控えたい方はまずはこの本を読まれてもいいのではないかと思います。kindle  unlimitedの情報はこちら。200万冊以上が読み放題で、無料体験期間の後は月額980円がかかりますが、たくさん読みたい本がある場合には登録した方がお得です。

②「ADHD のび太・ジャイアン症候群」 著者:司馬理英子  出版社:主婦の友社  発行日:2008年10月20日

ADHDをより理解するための本

①ADHDのお子さんにどう対応したらいいかわからない、つい怒ってしまう・・・そう感じて子育てに自信を失くしている保護者の方はとっても多いです。この本は具体例をあげ、家庭でできる対応策について書いてありますので、子育てに悩んでいる方はぜひご一読ください。

②黒柳徹子さんの名作をご紹介します。この本の中にはADHDという言葉は使われてはいませんが、黒柳さんはきっとそうだったんだと思います。ADHDの特性らしきものが、むしろ長所となっていく秘訣を学ぶことができます。発達障害はぬきでも、読み物としても大変面白い本です。

保護者のための最初の一冊(ASD/自閉症)

それでは、次にASD/アスペルガーのお子さんがいらっしゃる保護者の方への本をご紹介します。
こちらもAmazonの Kindle unlimitedを使えば,電子書籍を無料(無料体験期間中)で読むことができます。イラストが多くてわかりやすくポイントをおさえた本になっています。

①「自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の本 」 著者:宮本信也 出版社:主婦の友社 発行日:2015年7月11

ASD/自閉症をより理解するための本

①東田直樹さんの著書は世界的にも高く評価されています。話し言葉を介しては理解が難しい、自閉症の世界を紹介してくれる非常に興味深く、かつ感動的な本です。自閉症の関係者ではなくても、ぜひ読んでいただきたい本です。

②まだ自閉症/ASDが今ほど知られていなかった時代に成長したドナ・ウィリアムスさんの本。自閉症は治るものではないので、タイトルに「だった」と入っているのは違和感はありますが、つまりは”自閉症だったのに理解されなかった幼少期”を回顧して書いているというわけですね。集中力も知能も高い著者だからこそ、自力で正確な診断にたどり着くことができ、かつ、この本を一気に書き上げることができたのでしょう。こちらも自閉症者の知覚や考え方を知るには興味深い本となっています。

③マンガを一冊上げたいと思います。ASDでADHD、SLDもある沖田×華さんの本です。マンガなのでさらっと読むことができますし、興味深くて面白いです。しかし沖田さんは、ある意味破天荒なので、保護者の目線で読んでしまうと、心配になってしまうかもしれません。

発達障害のあるご本人のための本

発達障害の診断がなくても、発達障害の傾向がある人は多くいらっしゃいます。傾向が強い方、発達障害の診断がある方は、「他の人はもっとうまく物事をこなせるのに、自分は失敗が多い」と自信をなくしてしまいがちです。でも、そこで諦めるのはもったいない!自分にあった工夫をすれば、本来もっている能力を発揮しやすくなります。どういう方法で工夫ができるのか、日常生活を改善するヒントが記載されている本をご紹介します。

①「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」 著者:對馬陽一郎 出版社:翔泳社 発行日:2017年5月16日

こちらの本は、タイトルに“働く”という言葉が入っていますが、学業にも使えるため高校生・大学生の方にもおススメです。ただし、この本はシリーズで全6巻あります。私は上に紹介した「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」が一番役立つと思いますが、他の本も併せて読むとさらに活用できる情報が増えると思います。

「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」では最初に、“締め切りが守れない”といった「先延ばしグセ」をとりあげています。カウンセラーとして働いていると、本来、優秀な人であっても、「先延ばしグセ」のせいで、学業や就活、仕事で結果を出せない人がけっこういることに気づきます。

高校までは親が管理していてうまくいっていた人も、高校を卒業すると、自律した生活を求められるようになってきます。親の目が届きにくくなるので、大学等に進学したとき、先延ばしグセのある人は卒論や単位取得でも先延ばしをしがちで、留年・除籍・退学になる人も実は少なくありません。

こういった先延ばしは発達障害のない人でも起きますが、やはり全体から見ると、発達障害のある方に多く見られ、その程度も顕著なように思いますので、発達の偏りを自覚されていらっしゃる方は工夫の仕方を知っておいて損はないと思います。

さて、この先延ばしの問題をやはり本の最初に扱っている、興味深いおススメ本がもう一冊あります。


②「発達障害サバイバルガイド」 著者:借金玉  出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社 (2020/7/30) 発売日 ‏ : ‎ 2020年7月30日

著者の借金玉さんはADHDと双極性障害をお持ちで、ASD傾向も高めとのことです。ご自身の実体験をもとにライフハックについて書いており、その内容には説得力があります。私はこの本を読んで、特に借金玉さんの分析力に感心しました。借金玉さんの周りは社会的にトラブルを抱えてらっしゃる方も多いらしく、そういった方や自分自身を観察し、何が失敗の原因になっているのかを分析した上で、その原因の対応策を書いていらっしゃいます。

この本が心に響くのは、借金王さんが、自分のネガティブな面を正直にさらしていることです。どん底を経験して、痛みと苦しみから学んだことを、読者のために良かれと思って、絞り出して書いている・・そんな感じの本です。

それから、もともと借金玉さんは早稲田大学を卒業されており、総合的には知的に高い能力がある方だと思います。工夫をとことん行うことで、本来もっている知能・才能を発揮できることを借金玉さん自身がこの著作を書くということで体現してくれたとも言えそうです。

子どものためのワークブック

私は子供のうちから、発達障害についての理解を深めることは大事なことだと思っています。すべてのケースで告知した方がいいとは言えないでしょうし、大人が注意深くサポートする必要がありますが、小さいうちから発達障害や精神障害をもっとオープンに学んで理解した方が、トラブルが予防でき、ひいては社会的偏見の改善につながるように思います。

そのためにも、まずは発達障害のある本人が、自分の特性や症状で自信を失ったり、自責的になる前の幼少期のうちに正しい知識を学べるといいですね。

そんなわけで、お子さん自身が発達障害について学べるワークブックをご紹介したいと思います。しかし問題は、日本では、これというワークブックに今のところ出会えていません。不本意ながら、今回は英語のワークブック(ADHD)を紹介させてください。もし日本語で良いものが見つかったり、出版されたら差し替えていきたいと思います。

①「 Thriving With ADHD Workbook for Kids: 60 Fun Activities to Help Children Self-regulate, Focus, and Succeed」 著者:Kelli Miller (著), Sarah Rebar (イラスト) 出版社 ‏ : ‎ Althea Pr; Workbook版  発売日 ‏ : ‎ 2018年6月26日

世界には発達障害の人が沢山いて、発達障害の人は特別珍しくないのだというノーマライゼーションができる本です。一方、人数の上では発達障害は普通のことであっても、視力が悪い人が眼鏡をかけるのが必要なように、サポートを受けることが能力を発揮するのに大事であることなど、大事なポイントを学ぶことができます。ちなみに出版社も著書も違いますが、10代向けのワークブックもありますよ。

②「Thriving with ADHD Workbook for Teens: Improve Focus, Get Organized, and Succeed 」  著者: Allison Tyler  出版社 ‏ : ‎ Rockridge Press   発売日 ‏ : ‎2020年1月28日

そしてうれしいことに、どちらのワークブックもAmazonの Kindle unlimitedを使えば,電子書籍として無料(kindle unlimited無料体験中)で読むことができます


以上、今回は「役に立ちそう」という点から、おススメの本を紹介させていただきました。

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