潔癖できれい好きな人でも、サウナやスパ、温泉を楽しむ方法。「汚いから苦手」という感覚を克服するには?

心のケア

スパや温泉は心身をリラックスさせてくれる、癒しにはとても適した場所です。しかし、潔癖できれい好きな人にとっては、苦手な場所と感じている人も少なくありません。

そこで今回は、潔癖やきれい好きの人にも、できるだけ楽しく、快適にスパや温泉を楽しむコツをまとめてみました。そしてカウンセラー(臨床心理士・公認心理師)の視点から、「汚いから嫌い」という嫌悪感を克服するポイントもご紹介します。

潔癖な人にとって、スパや温泉の不快ポイントは?

他の人には理解されにくくても、潔癖な人にとっては温泉やスパで嫌だなぁと思ってしまう不快ポイントがあります。人によって個人差はあると思いますが、一般的に潔癖な人が気にする不快ポイントをまとめてみました。

スパや温泉のここが不快ポイント(潔癖な人の視点)

・足ふきマットが他人と共用
・お風呂の椅子が他人と共用
・サウナでは座るタオルが他人と共用
・施設のタオルが清潔なのか疑問
・お湯に毛などが浮いている
・ロッカーや衣類かごが他人と共用

そもそも潔癖な人はどれくらいいる?

潔癖な人ってどれくらいの割合で存在するんだろう?そう疑問に思ったことはありませんか?

実はこの問いに答えるのはかなり難しいのです。というのも、どこから潔癖なのかという線引きが難しいからです。ある人は公共トイレの便座の汚れを気にせずに座れるのに、電車の手すりは触れません。その反対の人もいます。また同じくらい清潔を求める行動をしていても、自分は潔癖かもと気にする人もいれば、気にしない人もいます。そう考えると、潔癖は主観的なものなのか、客観的に測れるものなのか、だんだんわからなくなってきますよね。

ただ、一つの目安として、深刻な潔癖症の人は2%以下と考えることができるかもしれません。この2%というのは、強迫症/強迫性障害の人の有病率です。強迫症/強迫性障害とは、ばかばかしいと思っているのに、その行動をやめられなくなる精神疾患の一つなのですが、よく見られる症状に、汚れを嫌悪し、清潔であろうとする不潔恐怖があるのです。強迫症/強迫性障害すべての人がそういった不潔恐怖の症状があるわけでなく、他の症状(確認しないと気が済まないなど)の人もいることを考慮すると、生活に支障が出て、病気と診断されるような潔癖な人は少なくとも2%以下におさまる計算になります。

潔癖は問題ない?それとも病気?

ご自身の潔癖が病気(強迫症/強迫性障害)のレベルなのかどうか気になるようでしたら、次の項目に当てはまるかチェックしてみましょう。

潔癖症が病気かどうかチェック
下の項目に当てはまってるか、チェックしてみて下さい


・潔癖であろうとすることが、社会的な活動や仕事に支障を及ぼしている
・潔癖でいなきゃという考えが一日1時間以上(あるいは9回以上)生じている
・潔癖でいなきゃという考えのため、苦痛が生じている
・清潔にする行為を邪魔されたら、精神的に非常に辛い
・清潔に関する考えが、もはやコントロールできなくなっている
 (参考:Y-BOCS)

もし当てはまっている項目があり、潔癖を治したいようでしたら、専門家(精神科)に相談してみましょう。強迫症/強迫性障害と診断された場合、薬物療法や認知行動療法といった治療を受けることで改善が見込めますよ。

潔癖な人は、スパや温泉の前に事前準備

さて、それでは本題の温泉やスパの話題に移りましょう。多少の潔癖があっても、楽しく、快適にスパや温泉を楽しむことはできます。そのためには事前準備が重要です。

準備しておくと便利なもの


1.防水の使い捨ての袋(①衣類かごから荷物を隔離するための袋、②体を拭くタオルを入れる袋、③下着等の汚れ物を入れる袋)を多めに準備
2.自分の使いたいタオル(①体を洗う用、②体を拭く用、③入浴後の身支度に使う用など)を多めに準備
3.サウナマット(サウナに入ったり、座るところが気になる人)
4.除菌シート、ティッシュ(入浴後の手足の汚れが気になる人)
5.靴下(入浴後の足の汚れが気になる人)
6.ヘアゴム(髪が長い人)

☆衣類かごやロッカーに嫌悪感がある人は、そもそも温泉やスパにあまり荷物をもっていかないようにしましょう。また着替えの服も、後で洗いやすい服の方が気持ちが楽ですね。

③のサウナマットはなじみがない方も多いかもしれません。サウナで熱くなく座るためのマットで、折りたたんでコンパクトに持ち運べるスグレモノです。

ちなみにサウナに入る方は、サウナハットも重宝するようですよ。

いざ入浴へ。コツとマナーをおさえましょう

入浴前:防水の袋に、①お風呂を出たときに身体を拭くためのタオル、②お風呂で汚れたもの(サウナマットや洗浄用タオル、ヘアゴムなど)を入れる袋、の二つを入れます。この防水袋は入浴前に入浴場出入り口(または中)にある棚の上に置いておきましょう。

潔癖な人のためのコツとマナー

入浴前と入浴後の2回、身体を洗いましょう。入浴前の身体の洗浄はマナーとして必要です。そして入浴後の洗浄は、気になるところをキレイにして、気持ちをすっきりさせるための洗浄です。

☆髪が長い場合はヘアゴムなどで髪をまとめて入りましょう。

☆入浴後は、ロッカーや衣類かごに行く通路に水が垂れないよう注意します。そのために入浴場をの出口で、用意してあった防水の袋から、清潔なタオルをとりだし、さっと身体を拭きましょう。同時に入浴場にもっていった洗浄用のタオルが汚れていると感じると思いますので、防水袋に入れて、すっきりさせちゃいましょう。

入浴中:サウナを使う方は、サウナマットを敷いて使うと、不潔な感じがしないと思います。お風呂の椅子が気になる人も、サウナマットを敷いて使ってもいいですね。

入浴後:入浴場の入り口で身体を拭いたら、衣類かご/ロッカーのところに移動します。共用マットの汚れが気になる人は、足を除菌シートでふいて靴下をはいてしまいしょう。靴下をはくとホッとすると思います。

快適追及と克服のバランスをとる

あれ?それだけでは、完全には清潔ではいられないんじゃない?と気になった方もいらっしゃるかもしれません。

そうです。そこがポイントです。上記の清潔を保つ行動を全部行っただけでも、それなりに疲れて大変になってしまいます。それなのに、これ以上の清潔を求めるなら、もっと疲れてしまいますし、いつかは病的な領域に入ってしまうかもしれません。

潔癖症を悪化させない、さらにいえば、改善させるためには、清潔を追求する行動をできるだけ行わないことが大事なのです。完全に清潔にすることは不可能ですし、これ以上の清潔は諦めてしまいましょう。

清潔を追求していくと、その行動がエスカレートし、不潔への耐性が弱まってしまいます。逆に、潔癖を追求する行動のうち、やめられる行動から少しずつやめていくと、前は不潔と思っていたものが、意外と平気になっていきます。上記の清潔を追求する行動をすると一時的に気持ちが楽になるかもしれませんが、長期的な視点からとらえると、できるだけしない方がいいのです。

ここで潔癖症を改善するポイントの一部をご紹介しましょう。

潔癖症を改善するためのポイント


・清潔を追求する行動のうち、やめられる行動からやめていく
・洗浄をやめたとき、一時的に不快感や不安な気持ちが高まっても、時間がたつと必ず改善するので、洗浄せずに、とにかく待ってみる
・ここだけは完全に清潔にしたいと思っているところがあれば、少しずつ汚してみる

潔癖が軽くなった方が、もっと気軽に快適にスパや温泉に入ることができると思います。もちろん潔癖であっても困っておらず、問題が生じなければ、改善を目指す必要はありません。清潔を追求したいという欲求と、清潔にふりまわされないための工夫(やりすぎない)のバランスをとっていくのが最も現実的だと思います。

入浴後のケア

潔癖な人は、身体を洗浄する回数が多いので、肌が乾燥しがちです。温泉やスパを楽しむなら、入浴後のボディ・ケアで保湿をしつつ、マッサージでリラックスしましょう。

私はロクシタンが好きなのですが、その中でもシア リッチボディクリームが保湿と癒しに効果があるのでおススメですよ。

タイトルとURLをコピーしました